人材業界歴15年以上。現在も都内某社の人材サービス企業で、転職サイトの集客責任者(マーケティング部長)を務めています。
ハッキリ言いますが、転職活動において「学歴」や「年齢」は決定的な要素ではありません。
最も重要なのは「エージェントの社内システム上で、いかに『Sランク(最優良顧客)』と判定させるか」これに尽きます。
一般には知られていない、業界の裏事情とハック術を、現役社員の立場からこっそり教えます。
「担当者の対応が遅いし、そもそも連絡があまり来ない…」
エージェントに対する「見せ方」で損をしているだけです。
こんにちは、人材業界でマーケティング部長をしているサトウです。
普段、私は「どういう広告を出して求職者を集め、どういう優先順位で企業に紹介すれば、自社の売上が最大化するか」という戦略を日々練っています。
冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、私たちにとって求職者は「商品」であり、効率よくマッチングさせることが至上命題です。
その立場から、今日は残酷な真実をお話しします。
私たちは、毎日何百人も登録してくる求職者を、システム上で明確にスコアリング(ランク付け)しています。
そして、「ある条件」を満たした人は、学歴や職歴に関係なく、一般には出回らない「非公開の優良求人」を最優先で回します。
逆に、どんなに優秀な経歴を持っていても、この「条件」を満たしていないと判断されれば、システムが自動送信するテンプレートメールしか届きません。担当者が電話すらかけてこないこともあります。
この記事では、現役の「中の人」しか知らない、エージェントの優先順位を意図的にハックして、年収アップやホワイト企業への転職を勝ち取るための「3つの裏ワザ」を暴露します。
1. 業界の裏常識:「学歴」よりも「〇〇」が大事
多くの人は「良い大学を出ていないから良い求人が来ない」「転職回数が多いから相手にされない」と勘違いし、自信をなくしています。
しかし、エージェントのビジネスモデル(収益構造)を知れば、それが大きな間違いだとわかります。
エージェントの報酬 = あなたの転職決定年収の約30%〜35%
つまり、私たちにとって一番の「お客様(Sランク)」は、単に高学歴な人ではありません。
「確実に、早く転職を決めてくれる人(=早期に売上が立つ人)」です。
「半年後に転職したい」は後回しにされる理由
キャリアアドバイザーにも、月間の厳しい「売上ノルマ」があります。
そのため、「優秀だけど転職への腰が重く、半年後に動くかわからない人」と、「スキルはそこそこだけど、内定が出れば来月には入社してくれる人」がいれば、間違いなく後者を優先して手厚くサポートします。
どれだけ優秀でも、今すぐお金にならない人は「Dランク(対応後回し・自動メール対象)」フォルダに入れます。これはビジネスである以上、仕方のないことです。
逆に言えば、経歴が多少見劣りしても、「強烈な転職意欲」さえシステムに認識させれば、ベテランの敏腕担当者がつき、紹介される求人の質は劇的に変わります。
2. 担当者をハックする!優先順位を上げる3つの裏ワザ
では、具体的にどう振る舞えばシステム上で「Sランク」判定されるのか。
明日からすぐに使える具体的なテクニックを3つ紹介します。
① 初回面談での「魔法の言葉」
エージェントとの初回面談や登録フォームで、「転職時期はいつ頃をお考えですか?」と聞かれます。
この時、自信がなくて「良いところがあれば考えたい」「半年以内くらいで…」と曖昧に答えていませんか?
それは絶対にNGです。
その瞬間、あなたはシステム上で「今月追いかける必要のない客(ランク外)」として処理されます。
こう答えてください
「良いご縁があれば、すぐにでも(来月にでも)入社可能です」
まだ心の準備ができていなくても構いません。入社日なんて内定が出た後にいくらでも調整できます。
重要なのは、まずはエージェントの社内データベースで「ホットユーザー(即売上になる客)」のフラグを立てさせることです。
このフラグが立つと、担当者の目の色が変わり、ネット上には公開されていない「急募のホワイト案件」や「独占求人」が優先的に回ってくるようになります。
② 「ライバル」をチラつかせて焦らせる
私たちは、あなたが「他社のエージェント」経由で転職を決めてしまうことを最も恐れています。
一生懸命面談して、履歴書を添削して求人を紹介しても、最終的に他社経由で入社されたら、こちらの売上はゼロ(タダ働き)だからです。
この「損失回避」の心理を利用しない手はありません。
担当者と話すときは、定期的にこう伝えてください。
担当者へのキラーフレーズ
「実は、〇〇エージェントさんの方でも選考が進んでいる案件がありまして…そちらも魅力的で迷っているんです」
これを言うだけで、担当者は「他社に取られる前に、隠し持っている『一番良い求人(切り札)』を出してクロージング(契約)しよう」と焦ります。
これが、年収交渉や待遇交渉において最強のカードになります。一つのエージェントしか使っていないと、足元を見られてしまいます。
③ 推薦文の「セルフチェック」を要求する
担当者が企業にあなたの履歴書を送る際、一緒に「推薦文」を添付していることを知っていますか?
実は、経験の浅いダメな担当者だと、職務経歴書をコピペしただけのスカスカな文章や、「人柄が良い」といった抽象的なことしか書かずに企業に送っています。これでは書類選考で落ちてしまいます。
これを防ぐために、あえてこう伝えて釘を刺してください。
「以前、推薦文の内容と面接での話が食い違って困ったことがあるので、今回企業に送っていただく推薦文を、一度自分でも確認させてもらえませんか?」
「この求職者は細かいぞ、適当な仕事はできない」と思わせれば勝ちです。
適当な仕事をする新人が外れ、しっかり文章が書けるベテランのキャリアアドバイザーが担当につく確率がグッと上がります。これは非常に効果的です。
3. この戦略が使える「おすすめエージェント」構成
上記の裏ワザを使うには、「交渉材料(当て馬)になる大手」と「本命の特化型」を組み合わせるのが鉄則です。
私が自分の友人に裏で勧めるなら、以下の組み合わせで登録させます。
【必須カード】業界最大手の牽制用
まずはここです。求人数が圧倒的で、他社への「牽制(ライバル)」として最も効果が高いです。
ここの登録がないと、他のエージェントに対する交渉カードが切れません。「ここに登録している」と言うだけで、他社のエージェントは焦りますし、何より自分の「市場価値(想定年収)」を正確に知ることができます。
ここがポイント
- 求人数が桁違い(まずはここで市場の相場観を掴む)
- 社内システムが優秀で、意欲が高いと判断されれば連絡が非常に早い
- 過去の膨大なデータに基づいた面接対策資料がもらえる
【本命】年収アップ・待遇重視なら
ある程度社会人経験(3年以上目安)があるなら、ハイクラス層を狙いましょう。
ここの担当者は企業人事とのパイプが太く、質の高いコンサルタントが多いです。「裏ワザ③(推薦文チェック)」を行うと、ものすごく質の高い推薦をしてくれます。
「自分にはまだ早いかも」と思っている人ほど、実はポテンシャル採用の枠に入り込める可能性があります。
ここがポイント
- 企業担当と求職者担当が同じ(両面型)なので話が早く、ミスマッチが少ない
- 年収600万〜800万以上の非公開求人がゴロゴロある
- 職歴に自信がなくても、これからのポテンシャルを見てくれる
まとめ:椅子取りゲームに負けないでください
最後に、マーケティング部長としてのアドバイスです。
優良な求人(ホワイト企業・高年収・フルリモートなど)は、市場に出た瞬間に蒸発します。
完全に「早い者勝ち」の椅子取りゲームです。
あなたが「登録しようかな、どうしようかな」と迷っている間に、Sランク認定されたライバルがその席を奪っています。彼らは「優秀だから」勝ったのではなく、「動き出しが早く、エージェントをうまく使ったから」勝ったのです。
まずは登録して、最初の電話で「裏ワザ①(来月入社可能です)」を試してみてください。
担当者の声色が変わり、特別な求人が出てくる瞬間を体験してほしいと思います。